どうも、(@daiouoka)です。今週もよろしくお願いします。金曜日はお題自由の日です。
さて、最近やたらと「中国すげええええ」記事が人気になってますね。電子マネーとか社会の発展スピードとかで。
すごいのはそこだけでなく、アニメやマンガなどサブカル系なヲタク方面もすごい。今回は、そういうことが書かれた本『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒! 』の感想エントリーです。
中国ネット界隈で一番有名な日本人「山下智博」さん
当ブログでは5年ほど前に今回紹介する山下智博さんエントリーを書きまして→中国版ニコ動のbilibili動画で人気の日本人「山下智博」さんを知っていますか? - 競馬と漫画と将棋が三大栄養素
これ以降もちょくちょくエントリーを書いてます。
氏についてざっくり説明すると、オランダ人妻の空気人形を持っていろんなところに行った様子をビリビリ動画(中国版ニコニコ動画)に投稿したらバズって超人気になった人です。で、その山下智博さんが本を出しました。
タイトルは釣りで政治的な話題は出てきません。
【出版報告】11月20日(月)に自身初の著書が講談社から発売されます。タイトル、材質ともに燃えやすい作りとなっておりますが、誤解が生じないように目次も一緒に公開しておきますw アマゾンこちら→ https://t.co/GwL0UA6gt4 中国のネットと若者の実態に迫った一冊でございます。 pic.twitter.com/eZZVZ8Hokm
— 山下智博@ビリビリうp主 (@jibo33) 2017年11月15日
本の序盤は中国に行くまでの経歴。中盤は中国事情(主にネット)について。後半は筆者の今後の展望が書かれています。
なお、このエントリーでいう中国人とは中国人ヲタクを指します。(ヲタク)を省略してると思って読んでください。
中国人にとってのアニメ・マンガのイベントは文化祭(夏祭り)!?
中国の学校はとても厳しいです。まさに「詰め込み教育」で日本のように文化祭などのイベントはなく、朝から晩までひたすら勉強漬けの毎日。なので中国人が日本の高校生が出るアニメ・マンガを視聴すると、すごく羨ましいと感じるらしいのです。朝から晩まで勉強することはないし、自由に遊べるうえに恋愛もできる。部活動でスポーツや音楽に打ち込んだりなんてこともできます。まさに天国。
中国人がなにより憧れる日本のイベントってわかりますか?
もう一つ、中国の若者が憧れる日本特有の文化があります。何だかわかりますか? 実は「夏祭り」なんです。浴衣を着て、露店でチョコバナナを買って金魚すくいをして、夜空に打ち上がる大きな花火を好きな人と一緒に見上げる……もちろん最後のやつは日本人も憧れますが、中国の若者はアニメを見て、すべてに憧れているんですね。
『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』第3章から引用。
なんと「夏祭り」に憧れるようです。あんな人が多くて騒がしいし、味が普通(ないしはそれ未満)な屋台が出てるイベントのなにが良いのか………w まぁ非日常的なものは味わえるし、日頃からイベントに飢えていれば憧れるのも無理もないでしょう。
僕も中国人のような学生生活を送っていれば絶対憧れてたと思いますw
しかし中国では夏祭りはおろか学校の文化祭すら行われません。ですが、その代わりとなるイベントが各地で行われるようになりました。中国語で「漫展(マンジャン)」と呼ばれるもの。
「漫展」とはアニメ・マンガのイベント、要するにコミケ的なイベントです。だいたいは日本と同じようなものがあるようなのですが、中国特有のものもあるようです。
中国特有の部分ということでいえば、舞台が充実していることではないでしょうか。(中略)なかにはチームでコスプレをするだけに留まらず、原作とは違うオリジナルのお芝居を作って上演する「同人演劇」も盛んです。これは複数人からなるチームが、全員同じアニメに出てくるキャラに扮し、それらのキャラが登場するオリジナル台本を書き、全員で演じるというもの。
『上海の中国人、安倍総理はみんな嫌いだけど8割は日本文化中毒!』第3章から引用。
これには驚きました。いやぁまさかそこまでするとは! 日本にも同人演劇をするのってあるのかな? 気になって検索したらありました。なんと札幌で。
【ふわっとお知らせ】
— 同人演劇団「想演」 (@doujin_souen) 2017年12月28日
同人演劇団「想演」次回公演はなんと市電公演!電車の中でお芝居をするんです!どんなお話になるのか……全くの未知数ですΣ(´゚д゚`)
公演内容についての詳細やスケジュール、チケット販売などに関しては来年告知しますのでお楽しみに!#想演市電劇場 #札幌路面電車劇場 pic.twitter.com/dtjy8zmwgE
市電でお芝居… だと…? ちょっと気になるな(;☉_☉) まぁこれは一旦置いといて。
原作とは違うオリジナルの展開を表現するのは同人誌が普通ですが、中国では同人誌以外にも「作品愛」を表現できるようです。ただなぜ演劇も盛んなのでしょうか? 同人誌出版となると政府の検閲もあるでしょうし、印刷費用がけっこうかかるとかいろいろ事情があるのかもしれませんね。
この他にも中国ヲタク事情がいろいろと書かれていますし、中国パクリ事情・中国人と日本人の価値観・中国のネットサービスについて、などなども書かれています。日本で話題になった中国の電子マネーやシェアバイク事情についても書かれていますよ。
山下智博さんの「日中ぬるぬる計画」
最後に著者である山下さんの計画が書かれています。それは「日中ぬるぬる計画」という名前。
なんとすでにウェブサイトも作成済み→株式会社ぬるぬる
ツイッターにも書いてなかったのでびっくりしました。果たして日中関係はぬるぬるになるか…?
最後に山下智博さんが「ザ!鉄腕!DASH!!」の制作会社とコラボして制作した日本旅番組を紹介。
貧乏旅行組と金持ち旅行組に分かれて日本を旅行する番組のようです。中国人向けなので日本人が視聴して楽しめるかどうかはわかりません。妄キャリ、中国のビリビリ動画新番組で日本人アイドル初の主題歌決定! | 【es】エンタメステーション
そしてこんなはてなブログエントリーも見つけました→【中国で10億回再生!】トップYoutuber山下智博さんの「海外でウケるセルフブランディング」とは? - どん底から這い上がるブログ
中国社会について深くは書かれていない本
タイトルがアレなので釣られて購入した方は「なんだこれ?」と感じるかもしれない本です。
この本は中国社会について深く掘り下げた本ではありません。「日本文化中毒」といっても、取り上げられている日本文化もアニメやマンガなどオタク関係(サブカル)ばかりです。
ただ、オタク関連や電子マネーやらシェアバイクやら、共通しているのは、スピードが早い(流行り廃れがめまぐるしい)ということだと思います。これは山下さんの本からも、中国すげええ記事からもわかります。
やっぱり本や記事を読むだけでなく実際に行ってみないとわからない。ということは強く感じました。
中国社会について書かれた本は数あれど、中国オタク事情について書かれた本はほとんどない(もしかしたらこの本だけかも?)ので、興味がある方はぜひ一読してみることを強く勧めます。